描く対象は人によって様々です。
今回はその中から4人の方をご紹介します。
ユミさんは「女の子シリーズ」。
ツインテールだったり、ポニーテールだったり、お団子だったりと
髪型に強い関心をもつ彼女らしい女の子が画面いっぱいに描かれています。
そして、色彩。
力強いタッチで塗られていく女の子の上着とスカートと靴の色のコントラスト。
ポップなカラーリングは、時に北欧チックで惚れ惚れします。
コウさんは駅やエレベーターなどの「構造物」。
毎回細かいディテールまで迷いなく描いていきます。
個人的にはコウさんの引く「横線」が好きです。
鋭いシャープな線というよりは、ほのぼのと温かみのある線を引きます。
一枚の絵の中にコウさんの世界観が垣間見えます。
写真ではおそらく全く興味のわかない対象物ですが、
コウさんのサインペンの黒一色の対象物には毎回引き込まれてしまいます。
カヤさんは絵だけでなく、字にも魅力が詰まっています。
色白で線の細い繊細な印象のカヤさんですが、字は大きく伸び伸びとしていて、
どこかユーモラスです。絵よりも字に関心が強く、歯磨き粉の商品名や
車のメーカー名、数字などを繰り返し描いています。
絵に関しては、描くことよりも色を塗ることが好きなのか、
「かいてください」と人の顔などの輪郭をせがまれます。
枠がないときにはクーピーを使って、次々と色をボーダー状に塗ってゆきます。
さながら色の鍵盤のようなものができあがります。
クーさんは絵を描くことよりも、本当は話を聞いてほしい人です。
毎回描くものは違います。今一番話したいことを絵にしていきます。
ある時は、お見舞いに行ったおばあさんの絵。
ある時は、夢中になっているゲームの主人公。
お母さんの運転する車を描くときもあります。
一生懸命、話をしながら描くので、ペンが止まってしまい、
紙にペンのシミが大きくつくときもあります。
色を塗ることにもさして興味がなさそうです。
すすめられるままに色をのせていきますが
それよりも話したいことがあふれだします。
むしろ字を書いているときのほうが真剣なまなざしです。
字を形でとらえているクーさん。
一般的な書き順ではありませんが、彼の思考をのぞいているようで、
その独特な文字の完成の手順に毎回、感心してしまいます。
このように色々な作風があり、毎回描いている様子に引き込まれます。
3人に共通して言えることは、他人の評価を気にしていないということです。
純粋に、描きたいものを描いているため、描いている姿が「絵」になっていることです。
なので、彼らの創作風景を写真に収めるのがこちらの楽しみになっています。
カヤさんのリラックスして緩む口元。
無言で一気に描くコウさんのまなざし。
絶え間ない独り言と共にじりじりとペンを進めるクーさんの力んだ肩のライン。
作品名を描き終わった後の誇らしげなユミさんの笑顔。
フェイスブックで随時紹介していますので、ぜひそちらもご覧ください。