2022年06月18日

実習生

 先週、津久井養護学校の生徒さんの
実習が終わりました。

10代の生徒さんがゆめ工房に居るだけで、
施設の雰囲気がグッと華やぎます。

若さのエネルギーでしょうか。
彼女にとっては
自分の親御さんやお爺さんお婆さんと
同じような年齢の人達に囲まれての
実習は、戸惑うこともあったかと思います。


けれど、
逞しかったですね。

そんな初めての場所でも
ちゃんと自分の
要求を言葉で伝え、
嫌なことには首を縦にふらない、
時に身振り手振りで
感情を伝えてくれました。

実習にあたって、
必要なスキルは何だろう?と
考えることがあります。

挨拶ができる、
身だしなみを整えられる、
ありがとうが言える、
困ったと言える、
などなど・・・。


きっと、
必要なスキルは多い方が
生きやすいのでしょうが、
今回彼女を見ていて思ったのが、
食べることに関するスキルでした。

実習期間中は毎日、
お母さんの手作り弁当を
持参していた彼女。
小柄な彼女にしては、
しっかりとした量のお弁当でした。

白いご飯の上にチョコンと3つ、
載っていた梅の果肉。
食欲をそそる丁寧に巻かれた卵焼き。

きれいに箸を持ち、
そっとおかずを口に運ぶ彼女。
ゆっくり噛みしめながら、
「美味しい♡」と下頬を手でチョンチョンと
触れながら目を合わせます。
「美味しいの?良かったねぇ」
と微笑むとさらに指の腹で
チョンチョン。

慣れない環境の中での実習。
唯一ホッとできたのは、
慣れ親しんだ家庭の味に触れる
昼食の時間だったのかもしれません。

メンタルと食は密接に関係しています。
緊張から普段よりも食欲が落ちる人も
います。

けれど今回の実習生は、
お弁当を完食するだけでなく、
美味しさを味わうこともできていました。
慣れない環境で
食べることを楽しめた彼女の適応力に
拍手、です。

もしかしたら彼女は、
手作りのお弁当からお母さんの
(無事に実習をやり遂げてほしい)という
エールを感じ取っていたのかもしれません。



posted by machidayumekoubou at 13:36| * Episord | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ご縁

   先日、懐かしい方が来訪されました。
Yさんです。
この方は、ゆめ工房が喫茶店を経営していた時に知り合った女性です。
  当時店で、「手作りのテディベア展」を
して頂いたことがありました。
それがご縁で「ゆめ工房だより」を
毎回お送りしていました。
20数年の月日が経った先週、
ひょっこりYさんが来訪されました。
マスクをなさっていましたが、
お顔に見覚えがあり、
名前を聞いてすぐにYさんのテディベアを
思い出しました。
その場は驚くやら嬉しいやらで、
明らかに自分のテンションが高くなっていました。
思えば、
ゆめ工房だよりのおかげで続いたご縁です。
年に数件、
もう送ってくれなくていいですよと
お断りの電話を受けますが、
それ以外の方々へは
10年、20年とたよりや年賀状を
お送りしています。
面白いもので、
年賀状をお出しすると、
ゆめ工房宛に年賀状を
送ってくださる賛助会員さんが
何人もおられます。
一般的に考えると、
企業や店などの組織からの年賀状に
返信することは稀だと思います。
ですが、ゆめ工房の賛助会員さん達は
まるで親戚や知人宛に送るような文面で
年賀状を書いてくださいます。
また、毎年春になると押花などを添えた
便箋で心のこもった便りをくださる方も
いらっしゃいます。
賛助会費の振込用紙の通信欄に
励ましのメッセージや
近況を記してくださる方も
おられます。
そんなやり取りが何十年と続いていることに
驚きを覚えます。
直接お会いしたことのない方々であっても、
毎年、振込用紙に見覚えのある筆跡が
書かれていると、
まだ見ぬあの方、この方への感謝の思いが
つのります。
さて、Yさんは数年前から
新しいことにチャレンジを
しているそうです。
お仲間と始めたその取り組みを話す
Yさんの声は、弾んでいて、
こちらまで弾んだ気分になりました。
Yさんとゆめ工房で
何かできるといいなぁと漠然と
思いました。
構想が形になってきた時には、
皆さまにもお伝えできるかと
思います。
その日までは
さんのブログを覗き読みしながら、
時を待ちたいと思います。
posted by machidayumekoubou at 13:10| * Episord | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする