よく見ると路上には水の跡が何本もできていました。
ご近所のKさんが、水やりにきてくださったようです。
こんな風に、私たちの知らない時間に来訪し、花の手入れをしてくださるKさんです。
いつもいつも、本当にありがたいことです。
さて、今回は、ボランティアのYさんに寄稿してもらいました。
Yさんは週2回作業ボランティアに入ってくださる同じ町会にお住いの男性です。
今年のゆめ工房まつりでも、利用者さんの写真を撮ってくださいました。
「お手伝い」
私が障害者の方のお手伝いをすることになったのは数十年前、
ある友人が「Yさん、時間があったらどう?」と誘われたのが始まりでした。
日常生活の中ではほとんど接することのない障害者の方々に、何の知識もない
私に何ができるか不安でした。そして、まだ仕事をしていましたので、
イベントがある時などに声をかけていただき、お手伝いを始めました。
その時、その時、印象に残ることがたくさんありました。
やはり初めて目の不自由な方の誘導のお手伝いをしたことは忘れられません。
寒い、雨の降っている日、地下鉄の駅から細い坂の歩道を講習会場まで送ることでした。
初めてのことで緊張しているのに、その方の左手は白杖、右手は私の袖をしっかりと
つかまえているのです。わずか、15分くらいの道のりの全てを私に任されたのです。
責任の重さに、寒いのに背筋に汗が出てきて、お互いに話をしたのですが、何を話したか
全く覚えていませんでした。無事に会場まで送り届け、ほっとしたのを忘れられません。
帰りに、他の方を駅まで送っていきましたが、その方は「帰りに家の近くの体育館で
少し運動をしていくのですよ」と言いながら、ラッシュの電車に白杖を持って
乗り込んでいきました。私は言葉がでませんでした。
また、車いすの方をまだバリアフリーの整っていない会場で、階段を何度も4人で
持ち上げていくのですが、体力のない私は午後にダウンしてしまい、迷惑をかけた苦い
経験もありました。
ある障害をもった方と友達になり、顔を合わせれば、いろいろと世間話をしたり、
たまにカラオケに行ったりしていますが、いつも前向きの話に感心したり、
良い友達に恵まれているのがうらやましくなったりします。
ゆめ工房に週2回ほどお手伝いに行き出してから、だいぶ年数が経ちますが、
この数年、体調を崩し、やめようとしましたが、職員の方々の励ましや、
利用者の方々の笑顔で続けてこられました。
いつも、利用者の方々と話をしたり、笑ったりしながら作業の手伝いをして、
楽しい時間を過ごさせていただいています。
私はゆめ工房でわずかない手伝いしかできませんが、職員の方や利用者の方々に
少しでも何かお役に立てればという思いで過ごしています。
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