春も夏も淡い記憶しかなく、いつの間にか9月が終わりを告げていました。
年明けからゆめ工房では印象深い別れがいつくかありました。
ひとつは、ボランティアさんの卒業です(あえてそう呼ばせてください)。
7年、8年とゆめ工房の活動を支えてくださった方々がコロナや加齢を理由に、
区切りをつけていかれました。
直接お会いしてお礼を伝えられた方もいれば、コロナでお会いできぬまま、
お別れになってしまった方もいました。
コロナは無常です。
何年にもわたり、ゆめ工房の土台を支えてくださった皆さま、
本当にありがとうございました。
コロナ収束後に再会できることを願ってやみません。
さて、別れは重なるものですね。
ゆめ工房の初期メンバーであるKさんが9月、退所をされました。
グループホームへの入所が決まったためです。
養護学校を卒業してから四半世紀以上、在籍をされていた方です。
センチメンタルになって涙ぐむのは送る側で、
当の本人はすっきりとした顔をしていました。
案外ひとは、たくましいものなのですね。
新しい環境を受け入れ、穏やかに過ごしているKさんを見て思いました。
Kさんの第二の人生が仲間と共に安らかであることを祈っています。
コロナは私たちの生活様式と共に、古い慣習にも疑問符を投げかけました。
これまで積み上げ広げてきた一つひとつの事業や活動、業務を見直すきっかけになっています。
土日のイベントが全くなくなり、「こんなに身体は楽なのですね」と
職員から言われました。
気合と勢いで、少し走り過ぎていたのかもしれません。
そんなことを知った半年でした。
秋です。
相原が誇る詩人、八木重吉さんは多くの秋の作品を残しています。
今年の8月は相原中央公園で夜の野外イベントが行われました。
風にはためくフラッグと、闇に踊るライトの数々。
良質な音楽や映画を求めて、多くの人々が公園を訪れていました。
音楽を止めるな。
映画を止めるな。
外食を止めるな。
行動制限をかけられて初めて、
そんな体験が自分の暮らしを彩ってくれていたことに気がつきました。
文化を絶やしてはなりません。
月
月に照らされると
うたを歌ひたくなる
月のひかりにうたれて
花びらがこぼれてゆくようなうたがわく
夜
夜になると
ひとりでも
あそびたくなってくる
星もあそんで
ひかってるようだ
こほろぎも遊んで
ないているようだ
夜も黒くあそんでいるらしい
共に八木重吉さんの作品です・・・。
以上、ゆめ工房だより10月号より転載