実習が終わりました。
10代の生徒さんがゆめ工房に居るだけで、
施設の雰囲気がグッと華やぎます。
若さのエネルギーでしょうか。
彼女にとっては
自分の親御さんやお爺さんお婆さんと
同じような年齢の人達に囲まれての
実習は、戸惑うこともあったかと思います。
けれど、
逞しかったですね。
そんな初めての場所でも
ちゃんと自分の
要求を言葉で伝え、
嫌なことには首を縦にふらない、
時に身振り手振りで
感情を伝えてくれました。
実習にあたって、
必要なスキルは何だろう?と
考えることがあります。
挨拶ができる、
身だしなみを整えられる、
ありがとうが言える、
困ったと言える、
などなど・・・。
きっと、
必要なスキルは多い方が
生きやすいのでしょうが、
今回彼女を見ていて思ったのが、
食べることに関するスキルでした。
実習期間中は毎日、
お母さんの手作り弁当を
持参していた彼女。
小柄な彼女にしては、
しっかりとした量のお弁当でした。
白いご飯の上にチョコンと3つ、
載っていた梅の果肉。
食欲をそそる丁寧に巻かれた卵焼き。
きれいに箸を持ち、
そっとおかずを口に運ぶ彼女。
ゆっくり噛みしめながら、
「美味しい♡」と下頬を手でチョンチョンと
触れながら目を合わせます。
「美味しいの?良かったねぇ」
と微笑むとさらに指の腹で
チョンチョン。
慣れない環境の中での実習。
唯一ホッとできたのは、
慣れ親しんだ家庭の味に触れる
昼食の時間だったのかもしれません。
メンタルと食は密接に関係しています。
緊張から普段よりも食欲が落ちる人も
います。
けれど今回の実習生は、
お弁当を完食するだけでなく、
美味しさを味わうこともできていました。
慣れない環境で
食べることを楽しめた彼女の適応力に
拍手、です。
もしかしたら彼女は、
手作りのお弁当からお母さんの
(無事に実習をやり遂げてほしい)という
エールを感じ取っていたのかもしれません。
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