2022年04月12日

さいわい

(ゆめ工房だより より転載)


 先月プラネタリウムに「銀河鉄道の夜」を観に行ってきました。
こちらはデジタルペインティングの先駆者KAGAYA氏が全編CGで描いたプラネタリウム用の作品です。
宮澤賢治の名作を大胆に再構築した脚本と3年の歳月をかけて作り込まれた精緻な映像が観る者を圧倒します。
観客は時に鳥になり、時に乗客の視点で夜の銀河を旅します。
2006年の初上映以来、国内130ヶ所以上で上映され、観客動員数も100万人を超える大ヒットとなりました。
私も初見の時はその流れるような映像美に心を鷲掴みにされました。
今回、観客は運よく私たちだけでしたので、ドーム型の天井に映し出される透明感溢れる映像と清らかな音楽に身を任せ、
作品世界を堪能しました。

さて、原作の「銀河鉄道の夜」には印象的な一文があります。 

「誰だって、ほんとうにいいことをしたら、いちばん幸(さいわい)なんだねえ」
「けれどもほんとうのさいわいは一体何だろう」。 

今世界では、「さいわい」からは程遠い事態が起きています。
2月、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が始まりました。
北京冬季オリンピックが終わり、パラリンピックを一週間後に控えたタイミングでの愚行でした。
元々パラリンピックは、第二次大戦で障害を負った兵士の、リハビリを目的とした競技大会から発展したものだそうです。
人が障害を負う最大の要因は戦争です。平和の祭典期間中に他国へ侵攻するなど、悪夢としか言えません。
人口4575万人のウクライナには、270万人の障害のある方々が暮らしているそうです。そしてその数は増え続けるでしょう。
 戦争は「一方の正義」の名の下に始まることが常ですが、それにより「さいわい」を感じる人はいません。
ジョバンニと共に銀河列車に乗りこんだカンパネルラは、級友を助けるために川に飛び込みます。
そして命を落とした後も、それがいいことで、さいわいだったのかと自問します。

今ウクライナでは、ロシアによる理不尽な破壊行為が国土を焦がし人々の尊厳を踏みにじっています。
自分の家族を守るために相手国の兵士を殺めなければならない矛盾に直面している人々もいるでしょう。

この便りが発行される頃には、情勢も変化し、ある種の決着がついているかもしれません。
その結果がウクライナの人々にとってどういう意味を持つのかは分かりません。
それでもあの国の子どもたちの未来のために、一日も早い軍事侵攻の停止を願います。
そしてウクライナの人々に心安らかな日々が戻ることを祈っています。
 
2022年度、ゆめ工房は利用者さん24名、職員9名でスタートをします。 
今年度もよろしくお願い致します。
                                    施設長 佐々木 志穂
posted by machidayumekoubou at 17:58| * Informathion | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年02月21日

休業のお知らせ

 2月20日、町田ゆめ工房で新型コロナウィルスの陽性者が1名出ました。

これにより、ゆめ工房は2月25日(金)まで休業致します。

今後の再開については、改めてご報告致します。

posted by machidayumekoubou at 16:36| * Informathion | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年12月01日

嬉しい電話

 昨晩から大雨でした。今も少しだけ雨が残っています。

今朝はラジオから、「神田川」が流れていました。
今日から12月。
早いものですね。

 さて、昨日嬉しいお電話をいただきました。
7月に見学にいらした方からです。
ボランティアを始めたいということで
今週いらっしゃいます。
 7月にいらしたときのことをよく覚えておられ、
「帰りの会」に飛び入り参加をし、
一緒にお茶を飲んだことなどを語ってくださいました。

ご縁というのは不思議なものです。

コロナ渦であっても出会いがあることに感謝です。
posted by machidayumekoubou at 08:14| * Informathion | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年09月08日

ニヤリ・ホット

 何かと話題にこと欠かなかった東京2020オリンピックが、
すったもんだの末、閉幕しました。
やれ、史上最多のメダル獲得だの、阿部兄妹の同日金メダル獲得だの、
女子ソフトボールの13年ぶり連覇などありましたが、
わたくしとしては、柔道男子100s級のウルフ・アロン選手の
記者会見での自己紹介で「タカアンドトシ」の「タカに似てるって
言われます」みたいな発言に笑いました。
皆さんは何か心に残りましたか?

 そんなわけで今回は「ニヤリ・ホット」です。
ハインリッヒの法則「ヒヤリ・ハット」はインシデントに関する事柄ですが、
日常の思わず「ニヤリ」だったり、心がポカポカする
「ホット」な場面を指します。



 ある日の掃除時間中
〇〇さんがコードレスクリーナーで床面を掃除中です。
何かいつもと音が違います。
近づいて見てみると吸入口が、天井を向いているではありませんか。
「〇〇さん、それじゃあゴミは吸い取れないよ」
吸入口を床面に向け再スタート。
吸わない掃除機を懸命に前後に動かす姿がユーモラスでもあり、
健気です。思わず「にやり」。


 送迎車内での利用者さん同士の会話
△△さん:「あー、あれだよ、あれ。中丸君がやってんじゃん。ボイスレコーダー」
職員M:(いやいや記録じゃないし・・・)(心のつぶやき)
 こともあろうか
□□さん:「うん、そうだよね」
職員M:(ちょ、待てよ)(キムタク主演ドラマのワンシーンがプレイバック あくまでも心のつぶやき)
 
 この会話が何がきっかけで始まり、どう終焉したのか全く覚えていませんが、
一連のやりとりだけは昨日のことのように思い出されます。
運転中ですので、後ろをふりかえることもかなわず、ツッコミも入れられず、
ハンドルを握りながら一人悶々としておりました。

 わたくしと言えば、(うーん、でもまぁ、実害ないしホットくか)ということで
スルーを決め込みました。
以上「ホット」するエピソードでした。
ありゃ、「ホット」違いでしたね。あしからず。
                                       職員M
   
posted by machidayumekoubou at 15:44| * Informathion | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年07月26日

今日のお客さま

 今朝、地域にお住いのМさんからお電話がありました。
暑くなる前にいらっしゃるとのこと。
コロナでおよそ1年半ぶりのお越しです。

Mさんはゆめ工房ができて間もない頃からのボランティアさんです。
かれこれ30年近いお付き合いになります。

電話を切って30分ほどでMさんがいらっしゃいました。
日傘に帽子にリュックサックといういでたちです。

なんと御年80歳!
すっと背筋が伸び、お声にも張りがあったため、
実際の年齢よりもずっと若く見えました。

今日はわざわざごみ処理券と有料ごみ袋とリキュールケーキを
購入してくださいました。

コロナの自粛期間をどのように過ごされていたのかをお聞きしたところ、
日頃できない写真の整理などを行っていたとのこと。

また、趣味のサークル活動が軒並み中止になり、出歩くことは少なかったそうですが、
毎日のルーティンをこなすことで気分の落ち込みを防いでいたそうです。


特に印象的だったのは、毎朝トイレに設置した三面鏡に向かって
立ち姿をチェックし、鏡に向かって笑顔を作っていたという話です。
そして鏡の中の自分を奮い立たせる言葉を自分にプレゼントしているそうです。


そのほかのも80歳になったとき、自分が今できることを紙に書き出してみたそうです。

ほんの些細なことであっても、これもできる、あれもできると書き出していくことで、
自信につながったそうです。

Mさんのゆめ工房での滞在時間は30分ほどでしたが、毎日続けている健康体操の話もお聞きでき、
色々と勉強になりました。

やはり年齢を上手に重ねるコツは、自分を肯定すること、何にでも好奇心を持つことなのかもしれません。

Mさん、お暑い中、会いに来てくださり、ありがとうございました。
posted by machidayumekoubou at 19:56| * Informathion | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年06月10日

ゆめ工房だより6月号

今月発行した「ゆめ工房だより」を転載します。

 < ラスト ソング >

「想像ラジオ」(いとうせいこう著 河出書房新社刊)を読みました。
刊行当時、東日本大震災を背景に、生者と死者の新たな関係を描き出した≠ニ話題になった本です。
物語の主人公は「想像ラジオ」のDJアーク。彼が「想像」という電波を使い人々に番組を届けるという話です。
冒頭、海沿いの町を見下ろす杉の樹上から彼の軽快な声が聴こえてきます。リスナーからのメールを読み上げその内容に沿う曲を流すのです。彼は陽気によく喋るのですが、徐々に彼の身辺で起きたことが明らかになり、「軽快さ」が痛みを帯びてきます。
(この人はいつまで木の上から放送を続けるのだろう?)と怪訝に思ったところで気づきました。そうか、彼をここまで押し上げたのは、津波だったのか…と。寒空の下、重機の届かない高さに仰向けで引っかかる彼の姿が浮かびました。彼自身、自分の状況を把握しておらず、リスナーとのやり取りで少しずつ事実を受け入れていきます。気がかりなのは妻子の安否です。

小説では、登場人物の言葉を借りて「悲しみは共振できる」ことが繰り返し述べられています。 

 < 亡くなった人が無言であの世に行ったと思うなよ > 

 <アークさん、物わかりよくあの世に行く必要なんてないんです > 
 
 < 亡くなった人の悔しさや恐ろしさや心残りやらに耳を傾けようとしないならば、
   ウチらの行動はうすっぺらいもんになってしまうんじゃないか > 

物語の最後、最愛の家族の声を聴くことができたアークはリスナーに語りかけます。

想像しよう。聴きたい声を聴こう。僕だっていつでも戻ってくる。
語りかけるし、話を聴く。その声に必ず耳を澄まして欲しい、リスナーたちよ。

そして、番組の最後にアークが選んだ曲は「リデンプション・ソング」(救いの歌)でした。

ボブ・マーリーのラストアルバムの一番最後に収められた曲です。   

♪ 一緒に歌ってくれないか /  この自由の歌を  /  だって俺にあるのはこれだけ /  救いの歌だけ



 今年3月、ゆめ工房の元ボランティアさんで、法人監事でもあった方がお亡くなりになりました。
昨年の春、お会いした時にはお元気でしたので、いまだに信じられません。
多くの花に囲まれた遺影は、見覚えのある柔らかい満面の笑顔でした。
ご自宅の写真立てには、長崎の夜景をバックにしてご家族と笑う姿がありました。
その写真を眺めながら、あぁ、この方は私たちにも、ご家族と同じ笑顔で接してくれていたのだな、
と思ったら、鼻の奥にツンとした痛みが走りました。
  
ご冥福を心よりお祈り致します。
                                             施設長 佐々木志穂
posted by machidayumekoubou at 16:33| * Informathion | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年05月05日

通信欄

 3月の末に「ゆめ工房だより」を発送しました。
4月以降、賛助会費の振り込み通知が連日のように郵送され
手元に届いています。
今年度の振込用紙を見ながら領収証の発行を行っているのですが、
今年度は昨年度よりも、というよりはこれまでのどの年度よりも
通信欄へメッセージを書き込んでくださる方が多いことに
気が付きました。

中には、面識のない方もおられるのですが、そんな方々の
励ましや気遣いの一言に、何度も頭の垂れる思いをいたしました。

力強い筆致に励まされたこともあります。

特に男性からの記述が増えていることを実感しています。

どうしても内省的、詩的、情緒的になってしまうこちらからの
発信に対して、背中を大きな手で叩かれたような
安心を覚えました。

そして、20年以上、欠かさず振り込みを続けてくださる方々もおられます。
退職した施設長との関係で振り込みをしてくださっていた方々が、
その後も変わらずにご支援をしてくださっています。

そんな無名の方々の善意に見守られて2021年度もスタートから1カ月が
経ちました。

今日は連休の最終日。
玄関前の花に水やりをしようと出勤したら、
すでに土が湿っていました。
ご近所のボランティアさんです。

本当に、感謝の念しかありません。



posted by machidayumekoubou at 10:27| * Informathion | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年04月29日

関係性

 1992年に設立したゆめ工房。
2022年は節目の年です。

 今、30周年に向けて、記念事業を企画しています。
その一つが「写真」。
普段の活動の様子を写真で紹介するというものです。
どんなに言葉を並べても、一枚の写真にはかないません。
どんなに耳触りの良い言葉で施設を説明しても、
五感を通した表現にはかないません。

フィルムからデータに変わり、毎回、惜しげもなくシャッターを
切ることができるようになりました。

被写体は利用者の皆さんです。
けれど、何を撮るのがいいのか、思案中です。

仕事の風景。昼休みの風景。仕事場。彼らのまなざし。彼らの指先。
彼らの足先。彼らの背中。彼らの口元。
撮りたいものはたくさんあります。

そんな中で、職員だからこそ撮れるものは何か、考えてみました。

それは、「関係性」です。
利用者さんと職員。利用者さんとボランティアさん。
利用者さんと作業道具。利用者さんと作業室。
利用者さんと利用者さん。
利用者さんと商品。

そんな関係性を写真に落とし込めたら、
観る人の胸に何かを残せるような気がします。

プロのカメラマンをしのぐもの、それは利用者さんとの
信頼関係です。
そんな関係性をお届けできたらと考えています。

posted by machidayumekoubou at 23:24| * Informathion | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年04月09日

嬉しい電話

 昨日、相原の町会長さんからお電話をいただきました。
初めて言葉を交わす方です。
その前の日にお配りしたケーキのお礼でした。
相原には11の町会があるのですが、
「ゆめ工房だより」はそのすべての町会で回覧されています。
その回覧の手配をしてくださっていたのが町会長さんたちです。
一年のお礼でケーキを差し上げたことに対して
わざわざ、お電話をかけてきてくださったのです。

 なんでも、退職を機に地域活動の一環として町会の仕事を
お引き受けになったとそうです。
思い起こせば10年ほど前、当時の町会長さんが会長になったのを機に
ゆめ工房に関心を寄せてくださり、来訪されたことがありました。
そしてその時撮った写真を、町会内で発行する機関誌に掲載し、
ゆめ工房を紹介してくださったことを思い出しました。

そう考えると、ゆめ工房だよりは、ゆめ工房に関心をもっていただく
大切なツールであることがわかります。

後日談として、冒頭に触れた町会長さんから本日も電話をいただきました。
ケーキが美味しかったので購入を考えているとのことでした。

ケーキや会報が媒体となり、地域とゆめ工房をつないでいます。
これからも記憶に残る商品や会報を作っていきたいと思いました。
posted by machidayumekoubou at 23:17| * Informathion | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年01月07日

納品からの散策

 毎週水曜日の午前中に長池公園の納品に行っています。
これまで納品の終わりに長池公園内を散策することが多かったのですが、
昨年の10月頃より相模原北公園に場所を移しています。
今回のコロナ禍で外出もままならないので、
少しでも自然に触れあうことでリフレッシュになればと思います。

長池公園は広く緑豊かなのですが、多少勾配があるので、
たとえば地面が濡れていたりすると転倒の怖さを感じます。
その点、北公園はほぼフラットな地形ですので、
スムーズに移動できることが挙げられます。
 また、紫陽花やバラなど、園内に様々な花が植えられており
来園者の目を楽しませてくれます。
ベストシーズンは春先から梅雨を経て初夏といった時期かと思われますので
秋口からは樹々の紅葉が見ごろとなります。
銀杏の黄色が訪れるたびにその面積が広がる様は時間の経過を感じさせてくれます。
 さて、利用者の皆さんの散策ですが、景色には目もくれず歩を進める方もおり、
さながらクロスカントリーのようでもあります。
まあ、紅葉狩りが目的ではないので、それぞれの楽しみ方でよいかと思います。
日差しがあれば絶好のお散歩日和も曇り空では寒さが身に沁みます。
posted by machidayumekoubou at 16:10| * Informathion | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

きらぼし銀行様での展示を終えて

 ゆめ工房の活動を地域のみなさまに知っていただきたく、
「きらぼし銀行相原支店」様のご協力のもとで始まった店内展示。

2018年から毎年展示をさせていただき、
2020年度は11月16日から12月18日まで行いました。
コロナウィルス対策で店内ではスペースを空けてお客様に対応をされていますが、
例年通りの場所で皆さまの目に留まりやすい位置で展示をさせていただき、
感謝をしております。

コロナウィルス感染拡大で大変な状況の中、支店長様をはじめご協力をくださった
相原支店の皆さま、どうもありがとうございました。
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販売見直しのお知らせ

 20年以上、販売を続けてきたクッキーですが、近年は売上が低迷していました。
そのため今後は、プレーンとチョコチップの2種類のみで、
イベントやギフト販売、特別のご注文に限定をさせていただきます。
ご入用の際は、30個から承りますので、お早めにご相談ください。
posted by machidayumekoubou at 15:57| * Informathion | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

価格改定のお知らせ

 2006年から販売を続けている「乾燥糸こんにゃく」。
このたび、パッケージのリニューアルを行いました。
クラフト素材のチャック付き保存袋になり、「垢抜けた」
「贈答に利用しやすい」と好評です。
 このたび、リニューアルに伴い、価格を見直しました。
14年間、消費税が2度上がっても価格据え置きで頑張ってまいりましたが、
利用者さんへの給料アップのため値上げをさせていただきます。
ご理解のほど、よろしくお願い致します。

☆ リニューアル後の税込み価格 ☆

 10個入り (旧)480えん ➡ (新)600えん

  5個入り (旧)250えん ➡ (新)400えん
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新年のごあいさつ

 ゆめ工房だより 1月号 より転載します。     
             
                      

< こずえ >

 2021年を迎えました。
2020年はコロナが世界を席巻し、何が正解なのか、どこがゴールなのかも見えぬ中、
生物学者の福岡伸一さんの見識がわずかながらに不安な気持ちを和らげてくれました。

「この世界では環境変化や天変地異が絶えず起こり、未体験の病原体が繰り返しやってくる。
種の中に多様性があれば、感染してしまう個体がいる一方で逃げ延びる個体もいる。
進化は決して強いものが生き残るのではなく、多様性を内包する種が生き残ってきた。」

コロナに試されているかのように、今、私たちの多様性が問われています。


 さて、昨年、タイトルに惹かれて手にした書籍があります。
「私が最近弱っているのは毎日『なんとなく』食べているからかもしれない」(文響社 小倉朋子著)。
「食べること」は人に見られる唯一の本能。
どう食べるかはその人の人生に深くかかわってくる。
グッとくる名言に感銘し、著者の主宰する「食輝塾」に入塾しました。
入塾の動機は「正しいテーブルマナーや箸の持ち方を習得したい。」
「自分の食べ方のクセを知りたい」というものでしたが、
「テーブルマナー」は単なるルールやマニュアルではなく、
根底に「相手を思いやる気持ち」があること知り、
これは、仕事にも通じる考え方だと思うようになりました。

私たちの専門職としての技術は、利用者さんに対する敬意や誠意の上にあるものです。

ただ、敬意や誠意をどのように具体化すれば良いのでしょうか。
昨年、講師を招いて行った虐待防止研修では、
「不適切なケアを見過ごす体質が虐待につながる」と教わりました。
研修で行った「不適切ケアチェック」の中に「利用者さんの前でバタバタする」
という項目があり、ドキッとしました。
音に対する気遣いが薄かったからです。

食事に限らず音を立てないことは、
物を大切に扱うことであり、相手に圧をかけない態度にもつながります。
一つひとつの所作に意識を向け、心を込めることで相手への向き合い方が変わります。

 お互いに会ったら挨拶を交わす。
親切にしてもらったらお礼を言う。
仕事や食事中は大きな音を立てない。
席を立つ時は行き先を告げるなど、これらは私たちを管理するルールではなく、
互いを思いやる具体的な行動です。
「利用者さんの主体性の尊重」と「心地よい集団作り」は対立する価値観ではありません。
多様性はにぎやかです。

けれど「静かな時間」も私たちには必要です。

 最後に、相原ゆかりの詩人、八木重吉さんの詩をご紹介します。


「けやき」

  けやきはいい
  したのほうもいいが 
  こずえが 
  ひろがって 
  空にきえるあたり 
  なんともいえず 
  しずかだ

2021年は、心しずかな一年となりますように。本年もよろしくお願いいたします。

                                 施設長 佐々木 志穂
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2020年11月30日

クリスマスカード

 今日、嬉しいメールが届いていました。
地域にお住いのSさんからです。
小山内裏公園などで拾い集めた落ち葉を写真に収め、
加工したクリスマスカードです。
2種類ありました。
ひとつは、サンタクロースが描かれたもので、
もうひとつは、色とりどりの紅葉した葉や実が
敷き詰められ寄せ集められたものでした。
どちらにも、ゆめ工房のロゴマークがあしらわれ、
眺めているだけで元気をいただけるような、
にぎやかで楽しいカードでした。

昨年、Sさんの撮りためた写真の展示会があり、
会場に足を運んだのですが、あれからもう一年が経つのですね。
会場で気に入った作品に見入っていたら、
「よかったら差し上げますよ」と声をかけられ、
琥珀色の秋紫陽花と境川の春のせせらぎの2点を
ありがたく頂戴しました。
昨年からゆめ工房の廊下に飾られています。
今回、Sさんから届いた心のこもったクリスマスカードは、
コロナで少なからず緊張を強いられている毎日に、
サプライズと彩りを与えてくださいました。

私たちは地域の方に今日も支えられて活動をしています。





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2020年11月13日

「楽しい」と「嬉しい」

 先週と、今週、町田市内にある施設の職員さんが実習にみえていました。
それぞれ、1日、2日と短い実習でしたが、利用者さんは外からのお客さんに
新鮮味を感じていたようです。楽しみにしている人が多かったです。

 さて、今日実習を終えたYさんが最後に次のような思いを語ってくれました。

「最後に一言述べるとするならば、昨日は緊張と焦る気持ちでうまく利用者さんと
距離をとることができなかったけれど、今日は自分がまず楽しもうと、リラックスすることを
心がけて、話しかけてもらえるように一歩引いた姿勢で臨んだら、相手から笑顔をもらえたり、
話しかけてもらえたりできた。今回の実習を通して、楽しさや嬉しさを感じることができ、
自分はやっぱりこの仕事がすきだったんだということに改めて気づくことができました」

昨日よりも活き活きとした表情で語るYさん。
初めての実習、ということで相当なプレッシャーがあったようです。
昨夜は肩に力が入りすぎてガチガチになっていたとのこと。

それが今日には気持ちを切り替え、持ち前の素直さと勘の良さで
うまく周囲の環境に自分を溶け込ませていました。

福祉の現場で働く醍醐味は、彼女の言葉に集約されています。

利用者さんと一緒に仕事をすると、楽しくて、嬉しくなる・・・。

それはどうしてなんでしょう・・?

今日のYさんは、自分のスタンスを変えることで、ダイレクトに利用者さんの反応の違いを
感じることができたようです。

それは、「手応え」といってもよいかもしれません。

自分の気構えを外し、相手の波長に合わせてみることで共鳴できたのだと思います。

「コミュニケーション」とは一見、自分が積極的に前に出ることだと捉えがちですが、
相手の気持ちを引き受けることなのかもしれません。

 さて、来週は相模原特別支援学校の生徒さんの実習が始まります。
一体どんな出会いがあるのでしょうか。今から楽しみです。




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2020年10月19日

相原パウンド

 今年の4月に薬師池公園がリニューアルし、
新しく西園に直売所がオープンしました。

地場野菜や町田の名産品が集まっているおしゃれなお店です。

ゆめ工房の「萌木のゆめ」も6月から店舗に並び、
幅広い方々に手に取っていただけていることを実感しています。
7月はなんと・・・月の販売本数が薬師池公園だけで60本でした!

 9月から町田の名産品にリキュールケーキが4種認定されました。
「相原パウンド」として、
「萌木のゆめ」(梅)、
「紺碧のゆめ」(ブルーべり―)、
「琥珀のゆめ」(ゆず)、
「香夜のゆめ」(竹炭)の4種です。
 
さっそく、先月から直売所にも4種類のケーキが並んでいます。
 
 利用者さん皆で作ったケーキがたくさんのお客さまの目に触れる
機会をいただき、とても嬉しく思っています。

薬師池公園は秋が見頃の公園です。

11月からは園内がライトアップされ、幻想的な雰囲気を味わえるそうです。

紅葉の秋。

ぜひ、秋を味わいに、公園に足をお運びください。

公園から徒歩5分のところにある、「町田リス園」もおすすめのスポットです。

放し飼いのリスが園内を跳びまわり、運が良ければ手乗りで餌を食べてくれます。

コンパクトな作りなので、薬師池公園とリス園を回っても、

一日で十分楽しむことができます。

リス園の売店では、ゆめ工房の「木の雑貨」(リス、うさぎ、巣箱)も絶賛発売中です。

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夜あそび

 2020年度はコロナと共にありました。
春も夏も淡い記憶しかなく、いつの間にか9月が終わりを告げていました。

年明けからゆめ工房では印象深い別れがいつくかありました。
ひとつは、ボランティアさんの卒業です(あえてそう呼ばせてください)。
7年、8年とゆめ工房の活動を支えてくださった方々がコロナや加齢を理由に、
区切りをつけていかれました。
直接お会いしてお礼を伝えられた方もいれば、コロナでお会いできぬまま、
お別れになってしまった方もいました。

コロナは無常です。

何年にもわたり、ゆめ工房の土台を支えてくださった皆さま、
本当にありがとうございました。
コロナ収束後に再会できることを願ってやみません。

 さて、別れは重なるものですね。
ゆめ工房の初期メンバーであるKさんが9月、退所をされました。
グループホームへの入所が決まったためです。
養護学校を卒業してから四半世紀以上、在籍をされていた方です。
センチメンタルになって涙ぐむのは送る側で、
当の本人はすっきりとした顔をしていました。
案外ひとは、たくましいものなのですね。
新しい環境を受け入れ、穏やかに過ごしているKさんを見て思いました。
Kさんの第二の人生が仲間と共に安らかであることを祈っています。

 コロナは私たちの生活様式と共に、古い慣習にも疑問符を投げかけました。
これまで積み上げ広げてきた一つひとつの事業や活動、業務を見直すきっかけになっています。

土日のイベントが全くなくなり、「こんなに身体は楽なのですね」と
職員から言われました。
気合と勢いで、少し走り過ぎていたのかもしれません。
そんなことを知った半年でした。

 秋です。
相原が誇る詩人、八木重吉さんは多くの秋の作品を残しています。
今年の8月は相原中央公園で夜の野外イベントが行われました。
風にはためくフラッグと、闇に踊るライトの数々。
良質な音楽や映画を求めて、多くの人々が公園を訪れていました。

音楽を止めるな。

映画を止めるな。

外食を止めるな。

行動制限をかけられて初めて、
そんな体験が自分の暮らしを彩ってくれていたことに気がつきました。

文化を絶やしてはなりません。




月に照らされると 

うたを歌ひたくなる

月のひかりにうたれて

花びらがこぼれてゆくようなうたがわく







夜になると

ひとりでも

あそびたくなってくる

星もあそんで

ひかってるようだ

こほろぎも遊んで

ないているようだ

夜も黒くあそんでいるらしい     


                  共に八木重吉さんの作品です・・・。



                  以上、ゆめ工房だより10月号より転載
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2020年10月15日

電話

 7時55分きっかりに、誰もいない事務所の電話が鳴ります。
受話器を取ると、「オーワダ君です」とヨーイチさんの声。
昨日までは開口一番「小田急線に乗るの」と職員の反応を
楽しんでいたのが、「まずは自分の名前を言うんだよ」と教えた翌日から
「オーワダ君です」と名乗るようになりました。
「自分の名前は君をつけないんだよ。オーワダですって言ってみてね」と
教えると翌日にはちゃんと「オーワダです」と言葉が変化をしています。
また、「電話を終わる時は、 “電話を切ります” って言おうね」と
教えると次回は「切ります」と言ってから電話を切るようになりました。

 こんなやりとりが8月から続いています。
事の発端は、電車の遅延。
帰りの電車が2時間以上遅れ、グループホームに帰宅していないとホームの
スタッフさんから連絡をいただいた8月のある日の夕方。
ヨーイチさんの携帯電話に何度かけても、本人が出てくれません。
結果的には別の路線を利用して、ホームに帰ってきたのですが、
翌日ヨーイチさんの携帯を調べてみると、呼び出し音が聞こえない場所に
しまわれていました。また、呼び出し音が小さかったので音量を上げて
二つ折りの本体を開くとすぐに通話できるように設定をし直しました。
そして、ヨーイチさんが電話慣れするように、帰り際や朝の通勤時にあえて
携帯に電話をかけました。その後、電話に出ることは早々にクリア。
また、それと同時に、毎夕、相原駅から自宅に電話を入れることにしました。
こちらも、お母さんとの会話が嬉しいのか楽しいのか、すぐにルーティンに
なりました。
その後、携帯の充電器が実家にしかなかったため、グループホーム用の
充電器も購入してもらいました。
そんなこんなで、電話をかける楽しさに目覚めた(?)ヨーイチさん。
朝は気が向いたらかかってくるのですが、なるべくヨーイチさんからの電話に
出ようと考えた職員Uは、せっせと毎朝早めに出社して、彼からの(来るとも
定かでない)電話を待つようになりました。

ヨーイチさんとUの密かな楽しみです。


posted by machidayumekoubou at 23:12| * Informathion | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

こんなことに取り組みました。

 先日、4月から9月までの半年間を職員でふりかえりました。
いったいこのコロナ禍にどんな事柄に取り組んできたのだろうと
書き出してみました。
すると、思ったよりも様々な事柄に挑戦していたことが
分かりました。

 まず、緊急事態宣言中に職員の参集訓練を終えました。
自宅から職場のゆめ工房まで20キロ圏内に住む職員が、徒歩で通勤しました。
また、緊急時のトイレ体験として、携帯用トイレや紙おむつでの排泄も実施しました。
防災マニュアルを見直したり、寝具を買い替えたり、緊急時救急セットを揃えたり、
給水所の下見に出かけたり、受水槽の使用方法を確認したり防災食の試食も行いました。

 次に、町田市の名産品に「相原パウンド」としてリキュールケーキ4種を申請し、
見事4種全てが名産品に選ばれました。6月にオープンした薬師池公園の販売所で
「萌木のゆめ」(梅にリキュールケーキ)が良く売れて、7月は60本を売り上げました。
また、5月からオープンした知り合いのネットショップで布ぞうりとリキュールケーキの
販売が始まりました。一点物の布ぞうりに一つひとつ名前をつけ(「潮騒」「水でっぽう」など)
販売したところ好評でした。

 月に1度行っていた「料理教室」を中止にした代わりに飲食店のランチをテイクアウトすることにしました。
委託販売先の「うどん屋開都」さんの冷やしうどんや、仲間の施設で作っているお弁当を注文したり、
利用者さんのリクエストを参考に、有名店の牛丼を頼んだこともありました。

 北里大学の学生さんが実習に来てくれました。
だんだん、学生さんよりも年上の利用者さんが増えてきました。今では学生さんよりも若い人は一人くらいでしょう。
職員にとっては、孫みたいな年齢の実習生です。
当初、硬かった表情が日ごとに和らいでくるさまは、見ていて微笑ましいものです。
今年の実習のお礼状には、学生さんから見たゆめ工房のイメージイラストが添えられていました。
「今度ボランティアに来てもいいですか?」と帰り際に聞かれ嬉しかったのを思い出します。
利用者さんと過ごした時間が彼女の人生にどんな影響を及ぼすのか、今から楽しみです。

次に、ゆめ工房の賛助会会長さんからのご提案で、学童保育所にクッキーの差し入れを行いました。
時期は桜の花咲く4月でした。
一袋一袋にメッセージを添えたシールを貼って、少しでも子どもたちが笑顔でいられるようにとの願いをこめて、
利用者さんが袋詰めをしてくれたクッキーです。子どもたちだけでなく、スタッフの方々にも好評でした。

そして、乾燥こんにゃくのパッケージも見直しました。以前よりも割高になりましたが、贈答にも使える仕様になりました。

4月から作業担当者の交代がありました。新担当が布ぞうりの卓上編み機を作ってくれました。
そちらを活用することで、これまでぞうり編みに携われなかった人たちも、作業に加われるようになりました。

グループホームを見学させてもらいました。
利用者さんの生活の場を広げるために、複数の職員がグループホームの見学に出かけました。

木の動物シリーズに、「ウサギ」が加わりました。久方ぶりの新作です。

庭の畑の面積を広げました。
以前は、花壇と野菜の比率が6対4くらいでしたが、3対7くらいに変わりました。
今、畑にはサトイモの大きな葉が生い茂っています。
夏野菜はほぼボランティアさん任せでしたが、今回は職員が利用者さんと一緒に玉ねぎとニンニクを植えました。
目指せ!「黒ニンニクの商品化」。芽が出ないうちから、狸の皮算用です。

掃除機をマキタのコードレスに買い替えました。
不思議なもので、コードレスにして使い勝手が向上したとたん、
掃除機をかけてくれる人が増えました。心理的なハードルが下がったのでしょう。
その便利さ、手軽さを実感した職員二人が、自宅でもマキタを使うようになりました・・・。

検温結果を自分で記録する利用者さん増加中。
ご家族にとって、毎朝の検温とその記載はかなりのご負担だと思います。
そこで、字の書ける利用者さんには、自分で連絡帳に記載をするよう促したところ、
何人かの人たちが書いてくるようになりました。
数字だけ書く人、日付も書いてくれる人、「肉まんを食べました」など、日記風の人などなど、
なかなか面白いです。字を書く機会が学校を卒業すると極端に減ってしまうため、
このような取り組みは字を忘れない観点からもよい機会となりそうです。

健康診断で採血に挑戦!!
15分かけてやっと採り終えたコバさん。
40歳以上の人は毎年採血があり、採血者が年々増えているゆめ工房。
考えてみれば当然です。みんな年を重ねていくのですから。
現在、最高齢72歳。
コロナに負けず、この冬を乗り切りましょう。






こうして書き出してみると、色々なことにチャレンジをしています。











posted by machidayumekoubou at 21:51| * Informathion | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする