2021年09月08日

ニヤリ・ホット

 何かと話題にこと欠かなかった東京2020オリンピックが、
すったもんだの末、閉幕しました。
やれ、史上最多のメダル獲得だの、阿部兄妹の同日金メダル獲得だの、
女子ソフトボールの13年ぶり連覇などありましたが、
わたくしとしては、柔道男子100s級のウルフ・アロン選手の
記者会見での自己紹介で「タカアンドトシ」の「タカに似てるって
言われます」みたいな発言に笑いました。
皆さんは何か心に残りましたか?

 そんなわけで今回は「ニヤリ・ホット」です。
ハインリッヒの法則「ヒヤリ・ハット」はインシデントに関する事柄ですが、
日常の思わず「ニヤリ」だったり、心がポカポカする
「ホット」な場面を指します。



 ある日の掃除時間中
〇〇さんがコードレスクリーナーで床面を掃除中です。
何かいつもと音が違います。
近づいて見てみると吸入口が、天井を向いているではありませんか。
「〇〇さん、それじゃあゴミは吸い取れないよ」
吸入口を床面に向け再スタート。
吸わない掃除機を懸命に前後に動かす姿がユーモラスでもあり、
健気です。思わず「にやり」。


 送迎車内での利用者さん同士の会話
△△さん:「あー、あれだよ、あれ。中丸君がやってんじゃん。ボイスレコーダー」
職員M:(いやいや記録じゃないし・・・)(心のつぶやき)
 こともあろうか
□□さん:「うん、そうだよね」
職員M:(ちょ、待てよ)(キムタク主演ドラマのワンシーンがプレイバック あくまでも心のつぶやき)
 
 この会話が何がきっかけで始まり、どう終焉したのか全く覚えていませんが、
一連のやりとりだけは昨日のことのように思い出されます。
運転中ですので、後ろをふりかえることもかなわず、ツッコミも入れられず、
ハンドルを握りながら一人悶々としておりました。

 わたくしと言えば、(うーん、でもまぁ、実害ないしホットくか)ということで
スルーを決め込みました。
以上「ホット」するエピソードでした。
ありゃ、「ホット」違いでしたね。あしからず。
                                       職員M
   
posted by machidayumekoubou at 15:44| * Informathion | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年07月26日

今日のお客さま

 今朝、地域にお住いのМさんからお電話がありました。
暑くなる前にいらっしゃるとのこと。
コロナでおよそ1年半ぶりのお越しです。

Mさんはゆめ工房ができて間もない頃からのボランティアさんです。
かれこれ30年近いお付き合いになります。

電話を切って30分ほどでMさんがいらっしゃいました。
日傘に帽子にリュックサックといういでたちです。

なんと御年80歳!
すっと背筋が伸び、お声にも張りがあったため、
実際の年齢よりもずっと若く見えました。

今日はわざわざごみ処理券と有料ごみ袋とリキュールケーキを
購入してくださいました。

コロナの自粛期間をどのように過ごされていたのかをお聞きしたところ、
日頃できない写真の整理などを行っていたとのこと。

また、趣味のサークル活動が軒並み中止になり、出歩くことは少なかったそうですが、
毎日のルーティンをこなすことで気分の落ち込みを防いでいたそうです。


特に印象的だったのは、毎朝トイレに設置した三面鏡に向かって
立ち姿をチェックし、鏡に向かって笑顔を作っていたという話です。
そして鏡の中の自分を奮い立たせる言葉を自分にプレゼントしているそうです。


そのほかのも80歳になったとき、自分が今できることを紙に書き出してみたそうです。

ほんの些細なことであっても、これもできる、あれもできると書き出していくことで、
自信につながったそうです。

Mさんのゆめ工房での滞在時間は30分ほどでしたが、毎日続けている健康体操の話もお聞きでき、
色々と勉強になりました。

やはり年齢を上手に重ねるコツは、自分を肯定すること、何にでも好奇心を持つことなのかもしれません。

Mさん、お暑い中、会いに来てくださり、ありがとうございました。
posted by machidayumekoubou at 19:56| * Informathion | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年06月10日

ゆめ工房だより6月号

今月発行した「ゆめ工房だより」を転載します。

 < ラスト ソング >

「想像ラジオ」(いとうせいこう著 河出書房新社刊)を読みました。
刊行当時、東日本大震災を背景に、生者と死者の新たな関係を描き出した≠ニ話題になった本です。
物語の主人公は「想像ラジオ」のDJアーク。彼が「想像」という電波を使い人々に番組を届けるという話です。
冒頭、海沿いの町を見下ろす杉の樹上から彼の軽快な声が聴こえてきます。リスナーからのメールを読み上げその内容に沿う曲を流すのです。彼は陽気によく喋るのですが、徐々に彼の身辺で起きたことが明らかになり、「軽快さ」が痛みを帯びてきます。
(この人はいつまで木の上から放送を続けるのだろう?)と怪訝に思ったところで気づきました。そうか、彼をここまで押し上げたのは、津波だったのか…と。寒空の下、重機の届かない高さに仰向けで引っかかる彼の姿が浮かびました。彼自身、自分の状況を把握しておらず、リスナーとのやり取りで少しずつ事実を受け入れていきます。気がかりなのは妻子の安否です。

小説では、登場人物の言葉を借りて「悲しみは共振できる」ことが繰り返し述べられています。 

 < 亡くなった人が無言であの世に行ったと思うなよ > 

 <アークさん、物わかりよくあの世に行く必要なんてないんです > 
 
 < 亡くなった人の悔しさや恐ろしさや心残りやらに耳を傾けようとしないならば、
   ウチらの行動はうすっぺらいもんになってしまうんじゃないか > 

物語の最後、最愛の家族の声を聴くことができたアークはリスナーに語りかけます。

想像しよう。聴きたい声を聴こう。僕だっていつでも戻ってくる。
語りかけるし、話を聴く。その声に必ず耳を澄まして欲しい、リスナーたちよ。

そして、番組の最後にアークが選んだ曲は「リデンプション・ソング」(救いの歌)でした。

ボブ・マーリーのラストアルバムの一番最後に収められた曲です。   

♪ 一緒に歌ってくれないか /  この自由の歌を  /  だって俺にあるのはこれだけ /  救いの歌だけ



 今年3月、ゆめ工房の元ボランティアさんで、法人監事でもあった方がお亡くなりになりました。
昨年の春、お会いした時にはお元気でしたので、いまだに信じられません。
多くの花に囲まれた遺影は、見覚えのある柔らかい満面の笑顔でした。
ご自宅の写真立てには、長崎の夜景をバックにしてご家族と笑う姿がありました。
その写真を眺めながら、あぁ、この方は私たちにも、ご家族と同じ笑顔で接してくれていたのだな、
と思ったら、鼻の奥にツンとした痛みが走りました。
  
ご冥福を心よりお祈り致します。
                                             施設長 佐々木志穂
posted by machidayumekoubou at 16:33| * Informathion | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年05月05日

通信欄

 3月の末に「ゆめ工房だより」を発送しました。
4月以降、賛助会費の振り込み通知が連日のように郵送され
手元に届いています。
今年度の振込用紙を見ながら領収証の発行を行っているのですが、
今年度は昨年度よりも、というよりはこれまでのどの年度よりも
通信欄へメッセージを書き込んでくださる方が多いことに
気が付きました。

中には、面識のない方もおられるのですが、そんな方々の
励ましや気遣いの一言に、何度も頭の垂れる思いをいたしました。

力強い筆致に励まされたこともあります。

特に男性からの記述が増えていることを実感しています。

どうしても内省的、詩的、情緒的になってしまうこちらからの
発信に対して、背中を大きな手で叩かれたような
安心を覚えました。

そして、20年以上、欠かさず振り込みを続けてくださる方々もおられます。
退職した施設長との関係で振り込みをしてくださっていた方々が、
その後も変わらずにご支援をしてくださっています。

そんな無名の方々の善意に見守られて2021年度もスタートから1カ月が
経ちました。

今日は連休の最終日。
玄関前の花に水やりをしようと出勤したら、
すでに土が湿っていました。
ご近所のボランティアさんです。

本当に、感謝の念しかありません。



posted by machidayumekoubou at 10:27| * Informathion | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年04月29日

関係性

 1992年に設立したゆめ工房。
2022年は節目の年です。

 今、30周年に向けて、記念事業を企画しています。
その一つが「写真」。
普段の活動の様子を写真で紹介するというものです。
どんなに言葉を並べても、一枚の写真にはかないません。
どんなに耳触りの良い言葉で施設を説明しても、
五感を通した表現にはかないません。

フィルムからデータに変わり、毎回、惜しげもなくシャッターを
切ることができるようになりました。

被写体は利用者の皆さんです。
けれど、何を撮るのがいいのか、思案中です。

仕事の風景。昼休みの風景。仕事場。彼らのまなざし。彼らの指先。
彼らの足先。彼らの背中。彼らの口元。
撮りたいものはたくさんあります。

そんな中で、職員だからこそ撮れるものは何か、考えてみました。

それは、「関係性」です。
利用者さんと職員。利用者さんとボランティアさん。
利用者さんと作業道具。利用者さんと作業室。
利用者さんと利用者さん。
利用者さんと商品。

そんな関係性を写真に落とし込めたら、
観る人の胸に何かを残せるような気がします。

プロのカメラマンをしのぐもの、それは利用者さんとの
信頼関係です。
そんな関係性をお届けできたらと考えています。

posted by machidayumekoubou at 23:24| * Informathion | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする