2021年01月07日

新年のごあいさつ

 ゆめ工房だより 1月号 より転載します。     
             
                      

< こずえ >

 2021年を迎えました。
2020年はコロナが世界を席巻し、何が正解なのか、どこがゴールなのかも見えぬ中、
生物学者の福岡伸一さんの見識がわずかながらに不安な気持ちを和らげてくれました。

「この世界では環境変化や天変地異が絶えず起こり、未体験の病原体が繰り返しやってくる。
種の中に多様性があれば、感染してしまう個体がいる一方で逃げ延びる個体もいる。
進化は決して強いものが生き残るのではなく、多様性を内包する種が生き残ってきた。」

コロナに試されているかのように、今、私たちの多様性が問われています。


 さて、昨年、タイトルに惹かれて手にした書籍があります。
「私が最近弱っているのは毎日『なんとなく』食べているからかもしれない」(文響社 小倉朋子著)。
「食べること」は人に見られる唯一の本能。
どう食べるかはその人の人生に深くかかわってくる。
グッとくる名言に感銘し、著者の主宰する「食輝塾」に入塾しました。
入塾の動機は「正しいテーブルマナーや箸の持ち方を習得したい。」
「自分の食べ方のクセを知りたい」というものでしたが、
「テーブルマナー」は単なるルールやマニュアルではなく、
根底に「相手を思いやる気持ち」があること知り、
これは、仕事にも通じる考え方だと思うようになりました。

私たちの専門職としての技術は、利用者さんに対する敬意や誠意の上にあるものです。

ただ、敬意や誠意をどのように具体化すれば良いのでしょうか。
昨年、講師を招いて行った虐待防止研修では、
「不適切なケアを見過ごす体質が虐待につながる」と教わりました。
研修で行った「不適切ケアチェック」の中に「利用者さんの前でバタバタする」
という項目があり、ドキッとしました。
音に対する気遣いが薄かったからです。

食事に限らず音を立てないことは、
物を大切に扱うことであり、相手に圧をかけない態度にもつながります。
一つひとつの所作に意識を向け、心を込めることで相手への向き合い方が変わります。

 お互いに会ったら挨拶を交わす。
親切にしてもらったらお礼を言う。
仕事や食事中は大きな音を立てない。
席を立つ時は行き先を告げるなど、これらは私たちを管理するルールではなく、
互いを思いやる具体的な行動です。
「利用者さんの主体性の尊重」と「心地よい集団作り」は対立する価値観ではありません。
多様性はにぎやかです。

けれど「静かな時間」も私たちには必要です。

 最後に、相原ゆかりの詩人、八木重吉さんの詩をご紹介します。


「けやき」

  けやきはいい
  したのほうもいいが 
  こずえが 
  ひろがって 
  空にきえるあたり 
  なんともいえず 
  しずかだ

2021年は、心しずかな一年となりますように。本年もよろしくお願いいたします。

                                 施設長 佐々木 志穂
posted by machidayumekoubou at 15:50| * Informathion | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年11月30日

クリスマスカード

 今日、嬉しいメールが届いていました。
地域にお住いのSさんからです。
小山内裏公園などで拾い集めた落ち葉を写真に収め、
加工したクリスマスカードです。
2種類ありました。
ひとつは、サンタクロースが描かれたもので、
もうひとつは、色とりどりの紅葉した葉や実が
敷き詰められ寄せ集められたものでした。
どちらにも、ゆめ工房のロゴマークがあしらわれ、
眺めているだけで元気をいただけるような、
にぎやかで楽しいカードでした。

昨年、Sさんの撮りためた写真の展示会があり、
会場に足を運んだのですが、あれからもう一年が経つのですね。
会場で気に入った作品に見入っていたら、
「よかったら差し上げますよ」と声をかけられ、
琥珀色の秋紫陽花と境川の春のせせらぎの2点を
ありがたく頂戴しました。
昨年からゆめ工房の廊下に飾られています。
今回、Sさんから届いた心のこもったクリスマスカードは、
コロナで少なからず緊張を強いられている毎日に、
サプライズと彩りを与えてくださいました。

私たちは地域の方に今日も支えられて活動をしています。





posted by machidayumekoubou at 21:36| * Informathion | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年11月13日

「楽しい」と「嬉しい」

 先週と、今週、町田市内にある施設の職員さんが実習にみえていました。
それぞれ、1日、2日と短い実習でしたが、利用者さんは外からのお客さんに
新鮮味を感じていたようです。楽しみにしている人が多かったです。

 さて、今日実習を終えたYさんが最後に次のような思いを語ってくれました。

「最後に一言述べるとするならば、昨日は緊張と焦る気持ちでうまく利用者さんと
距離をとることができなかったけれど、今日は自分がまず楽しもうと、リラックスすることを
心がけて、話しかけてもらえるように一歩引いた姿勢で臨んだら、相手から笑顔をもらえたり、
話しかけてもらえたりできた。今回の実習を通して、楽しさや嬉しさを感じることができ、
自分はやっぱりこの仕事がすきだったんだということに改めて気づくことができました」

昨日よりも活き活きとした表情で語るYさん。
初めての実習、ということで相当なプレッシャーがあったようです。
昨夜は肩に力が入りすぎてガチガチになっていたとのこと。

それが今日には気持ちを切り替え、持ち前の素直さと勘の良さで
うまく周囲の環境に自分を溶け込ませていました。

福祉の現場で働く醍醐味は、彼女の言葉に集約されています。

利用者さんと一緒に仕事をすると、楽しくて、嬉しくなる・・・。

それはどうしてなんでしょう・・?

今日のYさんは、自分のスタンスを変えることで、ダイレクトに利用者さんの反応の違いを
感じることができたようです。

それは、「手応え」といってもよいかもしれません。

自分の気構えを外し、相手の波長に合わせてみることで共鳴できたのだと思います。

「コミュニケーション」とは一見、自分が積極的に前に出ることだと捉えがちですが、
相手の気持ちを引き受けることなのかもしれません。

 さて、来週は相模原特別支援学校の生徒さんの実習が始まります。
一体どんな出会いがあるのでしょうか。今から楽しみです。




posted by machidayumekoubou at 23:16| * Informathion | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年10月19日

相原パウンド

 今年の4月に薬師池公園がリニューアルし、
新しく西園に直売所がオープンしました。

地場野菜や町田の名産品が集まっているおしゃれなお店です。

ゆめ工房の「萌木のゆめ」も6月から店舗に並び、
幅広い方々に手に取っていただけていることを実感しています。
7月はなんと・・・月の販売本数が薬師池公園だけで60本でした!

 9月から町田の名産品にリキュールケーキが4種認定されました。
「相原パウンド」として、
「萌木のゆめ」(梅)、
「紺碧のゆめ」(ブルーべり―)、
「琥珀のゆめ」(ゆず)、
「香夜のゆめ」(竹炭)の4種です。
 
さっそく、先月から直売所にも4種類のケーキが並んでいます。
 
 利用者さん皆で作ったケーキがたくさんのお客さまの目に触れる
機会をいただき、とても嬉しく思っています。

薬師池公園は秋が見頃の公園です。

11月からは園内がライトアップされ、幻想的な雰囲気を味わえるそうです。

紅葉の秋。

ぜひ、秋を味わいに、公園に足をお運びください。

公園から徒歩5分のところにある、「町田リス園」もおすすめのスポットです。

放し飼いのリスが園内を跳びまわり、運が良ければ手乗りで餌を食べてくれます。

コンパクトな作りなので、薬師池公園とリス園を回っても、

一日で十分楽しむことができます。

リス園の売店では、ゆめ工房の「木の雑貨」(リス、うさぎ、巣箱)も絶賛発売中です。

posted by machidayumekoubou at 16:09| * Informathion | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

夜あそび

 2020年度はコロナと共にありました。
春も夏も淡い記憶しかなく、いつの間にか9月が終わりを告げていました。

年明けからゆめ工房では印象深い別れがいつくかありました。
ひとつは、ボランティアさんの卒業です(あえてそう呼ばせてください)。
7年、8年とゆめ工房の活動を支えてくださった方々がコロナや加齢を理由に、
区切りをつけていかれました。
直接お会いしてお礼を伝えられた方もいれば、コロナでお会いできぬまま、
お別れになってしまった方もいました。

コロナは無常です。

何年にもわたり、ゆめ工房の土台を支えてくださった皆さま、
本当にありがとうございました。
コロナ収束後に再会できることを願ってやみません。

 さて、別れは重なるものですね。
ゆめ工房の初期メンバーであるKさんが9月、退所をされました。
グループホームへの入所が決まったためです。
養護学校を卒業してから四半世紀以上、在籍をされていた方です。
センチメンタルになって涙ぐむのは送る側で、
当の本人はすっきりとした顔をしていました。
案外ひとは、たくましいものなのですね。
新しい環境を受け入れ、穏やかに過ごしているKさんを見て思いました。
Kさんの第二の人生が仲間と共に安らかであることを祈っています。

 コロナは私たちの生活様式と共に、古い慣習にも疑問符を投げかけました。
これまで積み上げ広げてきた一つひとつの事業や活動、業務を見直すきっかけになっています。

土日のイベントが全くなくなり、「こんなに身体は楽なのですね」と
職員から言われました。
気合と勢いで、少し走り過ぎていたのかもしれません。
そんなことを知った半年でした。

 秋です。
相原が誇る詩人、八木重吉さんは多くの秋の作品を残しています。
今年の8月は相原中央公園で夜の野外イベントが行われました。
風にはためくフラッグと、闇に踊るライトの数々。
良質な音楽や映画を求めて、多くの人々が公園を訪れていました。

音楽を止めるな。

映画を止めるな。

外食を止めるな。

行動制限をかけられて初めて、
そんな体験が自分の暮らしを彩ってくれていたことに気がつきました。

文化を絶やしてはなりません。




月に照らされると 

うたを歌ひたくなる

月のひかりにうたれて

花びらがこぼれてゆくようなうたがわく







夜になると

ひとりでも

あそびたくなってくる

星もあそんで

ひかってるようだ

こほろぎも遊んで

ないているようだ

夜も黒くあそんでいるらしい     


                  共に八木重吉さんの作品です・・・。



                  以上、ゆめ工房だより10月号より転載
posted by machidayumekoubou at 15:52| * Informathion | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする